いわて働き方改革サポートデスク

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何から取り組む?

働き方改革スタートガイド

働き方改革を始める第一歩に

Chapter3

自分の組織ならではの 働き方改革取り組みプランを考える


1.組織の現状を理解する

自分の組織に合った働き方改革の取り組みを行うために、まずは組織の現状把握、従業員の現状とニーズの把握に努め、問題点を組織内で共有しましょう。 そして、問題を解決するためにどのような取り組みが必要かを考えていくことが大切です。
組織の現状を理解する方法として、以下があります。

方法1
残業時間、有給休暇取得率等のデータを分析する
方法2
アンケート調査、ヒアリングを通して従業員のニーズを聞く
方法3
従業員同士の意見交換の場(ワークショップ等)を設ける

2.目指す姿を共有する

働き方改革の取り組みは、経営者からのトップダウン、働き方改革を推進する担当者(メンバー)からのボトムアップ、どちらから始めても構いません。双方で全社を巻き込みながら取り組むことも効果的です。
しかし、経営者と推進する担当者(メンバー)が目指す方向が異なっていては、全社の取り組みに広げることは難しいでしょう。

経営者の取り組みメッセージ
推進担当者(メンバー)の取り組み


目指す姿

従業員がいきいき働き、地域になくてはならない企業になる

3.現状と目指す姿とのギャップを考える(要因を掘り下げる)

4.実行策・アイデアを考える

問題を掘り下げ、解決策を考えることは、働き方改革のプロセスの中でも重要なポイントです。
ここからは「3.現状と目指す姿とのギャップを考える(要因を掘り下げる)」と
「4.実行策・アイディアを考える」について、ケースを通して理解を深めていきましょう。

会社全体の残業時間を削減したいのですが、
何から取り組んだらよいでしょうか。

A.
データやアンケート調査をもとに、企業/組織の課題解決策を導き出しましょう。
残業時間や有給休暇取得率等のデータをもとに従業員からヒアリングをしたり、データを社内で共有し、従業員同士で要因を話し合う場を設けるきっかけづくりにすると効果的に活用できます。

◆ 部署ごと、従業員ごとの残業時間をデータ化する


◆ 従業員の残業に対する意識を調査し、残業理由をさらに考える

残業に関する従業員意識調査(アンケートサンプル)

残業に対する意識
  • ・仕事は定時で終えて帰るべきである
  • ・自分の仕事が終わったら周りが残業していても帰ってよい
  • ・残業になった分は皆で協力して仕事を終わらせるべきだ
残業の要因について
  • ・残業になるのは自分の仕事が遅いからだ
  • ・仕事の期日に追われ残業が多く発生してしまう
  • ・そもそも従業員数と業務量が合っていない
評価に対する意識
  • ・長時間働いている人は仕事を頑張っている人だと思う
  • ・限られた時間で効率よく働くことを評価するべきだ
  • ・労働時間に関係なくその人の努力を認めるべきだ
自身への評価について
  • ・正当に評価してもらっている
  • ・自分なりに頑張っているが周りから評価されているように思えない
  • ・自分は評価されていないと思う

特定の部署や、特定の人の残業が多いので、
その人たちに残業を減らす努力をしてほしいのですが。

A.
従業員同士で残業が多い要因を話し合ってみると
「残業が多いので減らす努力をする」
だけではない改善策が見えてくることがあります。

◆ 現状と目指す姿とのギャップを考える(要因を掘り下げる)

考えられる要因をメンバー全員で書き出す

  • ・1 人あたりの業務量が多い
  • ・業務分担がうまくいっていない
  • ・仕事の計画が立てられていない
  • ・上司より早く帰りにくい
  • ・時間外に打合せが行われる
  • ・お客様からの無理な要望が多い
  • ・分からないことを調べるのに時間がかかる
  • ・上司がいないことが多く、確認事項が遅くなる
  • ・周りが忙しそうで声をかけにくい

書き出した項目をグルーピング

業務配分や分担の問題
  • ・1人あたりの業務量が多い
  • ・業務分担がうまくいっていない
  • ・仕事の計画が立てられていない
意識や雰囲気の問題
  • ・上司より早く帰りにくい
  • ・時間外に打合せが行われる
コミュニケーションの問題
  • ・上司がいないことが多く、確認事項が遅くなる
  • ・周りが忙しそうで声をかけにくい
スキルの問題
  • ・分からないことを調べるのに時間がかかる

◆ 現状と目指す姿とのギャップを考える

さらに項目ごとに深掘りし問題を明確にするために、業務配分や分担について普段感じていることについてディスカッションを実施




◆課題を共有

  • ・他の人の業務が見えない
  • ・誰が何ができるのか共有できていない
  • ・コミュニケーション不足が大きい

◆改善策を検討

  • ・業務の見える化 スキルマップの作成、業務フローの作成
  • ・指導時間の確保 週1回の質問タイムをつくる

従業員同士のコミュニケーションが不足し、
引き継ぎ等がうまくいっていません。

A.
それぞれの業務を洗い出すことで、
お互いの業務内容や考えを知ることができ、
気付きの促しや新たな取り組みにもつながります。

◆それぞれが行っている業務内容をメンバー全員で書き出してみる

  • ・お客様への商品説明書類の作成
  • ・お客様からの問い合わせ応対(商品の使い方)
  • ・資料作成のための資料集め
  • ・お客様からの問い合わせ応対(納品の期日)
  • ・インターンシップの受入資料作成
  • ・作成した見積書のチェック
  • ・インターンシップ学生対応

◆業務の洗い出しをして気付いたことを共有すると課題が見えてくる

何人かで同じような仕事をしている

  • 「書類の確認作業を何人かで行っている」「毎月行われる会議の資料を、その都度一から作成している」など、気付かないままムダな仕事をしてしまっていることがあります。

ちょっとした「ムダ」を整理することで、 仕事を効率的に進められる

  • ・会議や提案資料のフォーマット作成
    ・従業員同士のコミュニケーションタイムをつくる

特定の人にしかできない業務がある 特定の人に業務が集中している

  • 特定の人にしかできない業務が多かったり、特定の人に業務が集中すると、 その人が休んだ時に業務がストップしてしまいます。
    そのことにより「休みにくい雰囲気」が生まれてしまうことも。

それぞれの仕事を共有することで、 効率化だけではなく従業員のスキル向上につながる

  • ・スキルマップをつくり、人材育成につなげる
    ・スキルUP 研修、勉強会の計画、実施につなげる
取組事例紹介
信幸プロテック株式会社

業務の洗い出しから課題を共有し、チームの成長を図る



当社には、空調設備等の保守・点検等を行うサービスマンと、お客様とサービスマンをつなぐ窓口スタッフがおります。 お客様へより高い価値を提供するため、窓口スタッフとしてできることはないかと考え、週1回30分~1時間程度集まり、業務改善のためのミーティングを行っています。

課題として出てきたことは、誰が何をしているか担当が不明確であることによる時間のロスや、技術的な知識不足による時間のロス。そのような点を改善するため、スキルマップ作成など、お互いの業務の可視化を行っております。



Column
「働き方改革」に取り組むための時間が取れません

働き方改革に取り組むために会議をし、書類を作成し、と考えると負担が大きいと感じるかもしれません。しかし、働き方改革は特別なことではありません。
机の上が散らかっていて書類を探している時間はなくしたい時間ですし、仕事の共有ができずに効率の悪い仕事になることは防ぎたいことです。そのような日々の少しずつの「改善」に取り組むことが大切です。
1日10分でも時間をつくることが、大きな改革につながっていくのかもしれません。

取組事例紹介

業務に集中し、生産性を向上する環境づくりの工夫

◆整理整頓は生産性を向上させる取り組みの第一歩

1回10~30分程度の時間を見つけて、少しずつ断捨離を実施。使用済みの書類等を整理することで、新たなスペースを確保し、効率的に仕事を行える環境づくりにつながっている。(県央 医療, 福祉)

書類等を探す時間を減らすため、書庫の収納内容をインデックス表示。
ちょっとした工夫が、生産性の向上につながっている。(県央 建設業)

◆業務に集中できる環境で生産性向上

事務所内に、周囲を気にせずに仕事に取り組める集中スペースを設置。
時間内に最大の効果を上げられ、生産性の向上にもつながっている。
(県央 卸売業, 小売業)

1時間の集中タイムを設定し、その時間は外線などの問い合わせは折り返しの対応にしている。(県央 建設業)

事務所内に飲み物やお菓子を置き、リフレッシュして業務に臨めるよう工夫している。(県央 情報通信業)

ノー会議デーを設定し、その日は業務に集中できるようにしている。
(県央 製造業)

◆従業員視点での取り組みで、従業員のモチベーション向上

職員の声を吸い上げる仕組みとして「職員による提案制度」を実施。職員の声から利用者向けの施設の改修を実現した。仕事の質の向上と従業員のモチベーション向上にも効果を発揮している。(県央 医療, 福祉)

職場快適化に関する要望について社員から意見を集め、スポットクーラーの導入、駐車場の整備などを行った。(沿岸 製造業)


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